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Top Message ~Vision 2035制定への想い~

「GSユアサレポート2023」のトップメッセージで、当社社長の村尾が「Vision 2035」制定への想いを語りました。ぜひご一読ください。


「モビリティ」「社会インフラ」の
2つの分野に注力し、社会課題解決に貢献


 2023年4月、当社は長期ビジョン「Vision 2035」を発表しました。創業者のDNAやこれまでの100年以上の歴史の中で培ってきた知見を礎として、次の100年に向けて「革新と成長」を実現するために「2035年のGSユアサのありたい姿」を定めました。これは当社の戦略の指針であり北極星のような存在となり得るものです。「モビリティ」「社会インフラ」の2つの分野に注力することで社会課題解決に貢献し、持続可能な社会と人びとの快適な生活環境の実現を目指します。

「ありたい姿」の実現に向けて
バックキャストで道筋を定める


 Vision 2035の策定にあたっては、まず当社の事業領域における長期的な環境変化を予測することから始めました。当社の主要製品である蓄電池のグローバルでの需要は、2019年の230GWhから2050年には約10,000GWhと、40倍以上に拡大すると見込まれています。
 「モビリティ分野」では、ゼロ・エミッションに向けて電動化が加速するとともに、自動運転技術が進展すると予想されます。当社も電動化への対応として、従来の始動用鉛蓄電池を主力にした事業構造から、駆動用リチウムイオン電池を中心とした事業構造にシフトしていく必要があると考えました。
 一方「社会インフラ分野」では、カーボンニュートラルの実現に向けた再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力系統や事業所などの需給調整に必要な蓄電池の重要性がさらに拡大する見込みです。加えて電力・情報・通信インフラなどの領域では、バックアップ用途としての重要性もさらに高まるでしょう。
 このような市場環境のもと、事業構造を変革させつつも、世界的な追い風を捉えて当社の得意分野を伸ばすことで、事業を確実に成長させていくという方向性を固めました。

「技術へのこだわり」と
「パートナーとの信頼関係」を強みにして


 Vision 2035の策定プロジェクトでは、2035年頃に第一線で活躍していると想定される課長クラスのメンバーに参画してもらい、初めに当社のありたい姿について議論を重ね、原案を作成しました。その後、私や社外取締役を含めた経営層とともに内容を精査し、当社の未来についてディスカッションをしながらVision 2035を練り上げていきました。
 ディスカッションの中で特に印象に残っているのは、「資金面や競争環境を踏まえると、BEV用リチウムイオン電池事業への大型投資はリスクが高いのではないか」という意見に対して議論したことです。たしかに、これまで鉛蓄電池をベースに成長してきた当社がBEV用リチウムイオン電池に舵を切るのは、リスクある判断であるともいえます。しかし私自身、当社の成長にとってBEV用リチウムイオン電池というピースは絶対に外せないという想いがありました。BEV用リチウムイオン電池市場で戦うためには、当社単独でのビジネスではなく、経験やノウハウが豊富な企業とのパートナーシップが欠かせません。当社はこれまで、(株)ブルーエナジー、(株)リチウムエナジー ジャパンをはじめ、さまざまなパートナーとの協業・共創によって成長を続けてきました。だからこそ創業期から一貫して技術立社である当社は、技術に徹底してこだわらねばなりません。そうすることでパートナーに選んでいただき、当社も共に持続的な成長を続けることができる、と結論付けました。

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