GSユアサとOOYOOが CO₂分離装置の開発・市場提供に向けた基本合意を締結 ~膜分離法を用いたCO₂の回収と再利用でカーボンニュートラル社会の実現に貢献~
2023年10月4日
株式会社 GSユアサ
株式会社 GSユアサ メンブレン
株式会社OOYOO
株式会社 GSユアサ(社長:村尾 修、本社:京都市南区。以下、GSユアサ)および株式会社 GSユアサ メンブレン(社長:田中 三郎、本社:東京都港区。以下、GSユアサ メンブレン)と、株式会社OOYOO(読み:ウーユー、社長:並木 義雄、本社:京都市下京区。以下、OOYOO)は、CO₂の回収と再利用を可能にする高性能なCO₂分離膜装置の開発・市場提供に向けて基本合意を締結しました。今後、2024年度中にCO₂分離モジュールを製品化し、2年以内の市場提供を目標に開発を進めます。
昨今、温室効果ガス削減を目的としてCO₂を分離回収する技術が注目されています。CO₂分離にはいくつかの方法がありますが、今回開発を行うのはコスト面で優れる膜分離法※1によるものです。OOYOOの持つ世界最先端の高性能なCO₂/N₂分離膜(OOYOO Membrane Gen.1※2)の技術と、GSユアサ メンブレンが開発した、膜の性能を最大限引き出すことのできる新構造の高効率スパイラルモジュール※3の技術を組み合わせ、省スペースかつ省エネルギーなCO₂分離装置を開発します。このCO₂分離装置を用いて工場などからの排ガスやプロセスガスに含まれるCO₂を分離回収し、炭酸ガス、肥料やドライアイス、化学製品や燃料製造のための資源として再利用することで、カーボンリサイクル技術の確立に寄与し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
※1 薄膜を利用し、排出されたガスの中からCO₂を分離する技術。小容量に向いており、安価という特長があります。
※2 OOYOOが、独自技術により2020年から2021年にかけて開発したCO₂/N₂分離膜です。OOYOOは、世界クラスの新世代CO₂/N₂分離膜の革新的な開発を続けています。
※3 スパイラルモジュールは、穴の空いた管(集ガス管)に、シート状の膜等を巻き付けて製造されるモジュール。体積当たりの膜面積が大きくコンパクトかつガスの透過スピードが速いことが特長。GSユアサ メンブレンのスパイラルモジュールは、独自技術の採用により高効率・省エネルギー化を実現しています。
3社の役割
GSユアサ・GSユアサ メンブレン | OOYOO |
・CO₂分離モジュール化技術の提供 ・CO₂分離装置の開発
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・高性能なCO₂/N₂分離膜 (OOYOO Membrane Gen.1)の提供
・CO₂/N₂分離膜製造プロセスの開発
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ビジネスモデル
各社のコメント
■GSユアサ 社長 村尾 修
GSユアサはこれまで蓄電技術を活用したCO₂の『排出抑制』による持続可能な社会の実現に貢献してきました。今回の合意は蓄電池で培った膜関連技術を用いて『回収・再利用』という新たなCO₂削減分野に進出するもので、これを機にカーボンニュートラル社会の実現を目指して一層開発を加速してまいります。
■GSユアサ メンブレン 社長 田中 三郎
GSユアサ メンブレンの膜事業はこれまで水質浄化や有価物の回収で持続可能な社会の実現に貢献してきました。この度の合意でCO₂の『回収・再利用』という新たな分野に進出して事業拡大を目指し環境分野での社会貢献を目指します。
■OOYOO創設者、京都大学教授 イーサン・シバニア
20年前、歴史的な京都議定書が84カ国で合意されました。京都大学発のベンチャーが、京都の卓越した企業と手を携え、高い優位性を持つ技術を実用化することで、世界がこの合意を遵守することに貢献することを楽しみにしています。OOYOOの技術を搭載したGSユアサのモジュールが、工場や海運、セメント工場から発電所まで、あらゆる産業で活用されることを期待しています。
■OOYOO会長、元ソルベイグループ日本代表 桑原 真
京都大学発のスタートアップであるOOYOOは、材料科学をベースにCO₂削減のみならずエネルギーやヘルスケアの分野においても革新的な創造に取り組んでいます。それには日本の大手製造業の強みとマーケティング力が不可欠です。今回のGSユアサとのパートナーシップは、両社のポジティブな相乗効果を実証するための輝かしい第一歩であると思います。
[この件に関する報道関係からのお問い合わせ先]
株式会社 GSユアサ コーポレートコミュニケーション部
TEL 075-312-1214
WEBでのお問い合わせ https://www.gs-yuasa.com/jp/contact/gyc/
株式会社 OOYOO 管理部
TEL 080-2746-2246
e-mail info@ooyoo.jp