GSユアサと北海道大学が共同研究で革新的なCO2分離回収技術を開発 ~高エネルギー効率・99%以上の高濃度CO2ガス回収を実現~
株式会社 GSユアサ(社長:阿部 貴志、本社:京都市南区。以下、GSユアサ)は、カーボンニュートラルの実現に向け、北海道大学(総長:寳金 清博、北海道札幌市北区。)との共同研究で、電気透析を応用した革新的なCO₂分離回収技術を開発し、その技術(以下、本技術)を適用したCO2分離回収システムの小型実証機を7月から稼働開始しました。
図1 CO2分離回収システムの小型実証機

図2 CO2分離回収フロー

本技術は、GSユアサ独自のpHスイング機構※1を採用することで高いエネルギー効率を実現し、99%以上の高濃度でCO₂ガスを回収できる点、および環境負荷が低い点が特長です。このたび稼働した実証機でCO2処理量を1kg/dayまで高め、さらに次のステップでは、実証機の大型化を図り、その処理量を1t/dayレベルまで拡張することを目指します。
従来のCO₂分離回収技術は、火力発電所などの大規模なプラントでの運用が主流でした。しかし、本技術を用いることで、環境負荷が低い特長を活かして、食品工場や醸造所などの中・小規模設備でも高効率なCO2の分離回収が可能となり、多様な現場への導入拡大が期待されます。また、回収した高濃度CO₂ガスは地下に貯留するだけでなく、エネルギー源や化学品原料など、さまざまな用途で再活用できます。さらに、宇宙空間や海洋などの特殊環境でのCO2分離回収への応用も期待されます。
本技術の詳細は、2025電気化学秋季大会※2(2025年9月5日開催)で発表済みであり、10月に実施される248th ECS Meeting※3(2025年10月13日開催)でも発表予定です。
今後も、GSユアサはCO2分離回収技術の開発により、カーボンリサイクル社会の構築に貢献してまいります。
※1 電気透析の技術を用いて電気化学的にpHを制御する機構
※2 主催:公益社団法人 電気化学会、共催:鳥取大学、会場:鳥取大学。シンポジウム講演、一般学術講演、企業展
示を開催。
※3 主催:The Electrochemical Society、会場:米国イリノイ州シカゴ ヒルトンシカゴ。口頭発表、ポスターセッション、パネルディスカッション、企業展示を開催。
[この件に関する報道関係からのお問い合わせ先]
株式会社 GSユアサ コーポレートコミュニケーション部
TEL 075-312-1214
北海道大学 社会共創部広報課
TEL 011-706-2610