「京の生きもの・文化協働再生プロジェクト認定制度」に認定 ~生物多様性保全の取り組みとして京都ゆかりの植物を育成~
GSユアサ京都事業所では、2021年度から継続して、京都の文化を支える日本固有の植物である「フタバアオイ」を事業所の敷地内で育成し、上賀茂神社に奉納しています。また、同じく敷地内緑地において、京都府改訂版レッドリスト2022に掲載されている「ヒオウギ」などの植物を育成・展示しています。
これらの取り組みを行う当社が、京都市が進める「京の生きもの・文化協働再生プロジェクト認定制度」で認定を受けました。
敷地内で育成中のフタバアオイ
「フタバアオイ」とは
日本の固有種で、ハート形の葉を名前のとおり2枚つける特徴があります。京都三大祭りの一つである葵祭では、桂の小枝に下鴨神社と上賀茂神社の神紋である二葉葵の葉を絡ませた「葵桂(〝あおいかつら〟または〝きっけい〟)」が御所車や勅使、供奉者の衣冠などに飾られることから、葵祭と呼ばれる由来となったことでも知られています。
そのような由緒ある「フタバアオイ」ですが、地域によっては絶滅が危惧されるほど、その数を減らしており、京都においても自生地が年々減少しています。当社は、上賀茂神社内にある「一般財団法人 葵プロジェクト」が主催する「葵育成プログラム※」に参加し、この希少植物の保全に貢献しています。
※葵育成プログラムとは
上賀茂神社内の「葵の森」でのフタバアオイの育成だけでは、鹿やモグラなどによる害獣被害や、異常気象などにより育成が妨げられるリスクが高いため、外部(個人、企業など)でフタバアオイの育成を行うプログラム
葵祭で飾られる葵桂
育てた「フタバアオイ」を上賀茂神社に奉納
GSユアサが育てた「フタバアオイ」は、2022年、2023年と継続して上賀茂神社へ奉納しました。奉納したフタバアオイの一部が葵祭りの「葵桂」として活用され、残りは上賀茂神社境内の葵の森に植え替えられました。
2023年度はフタバアオイの育成規模をさらに拡大し、事業所敷地内の庭園での地植えを始めています。
フタバアオイの里帰り ~上賀茂神社に奉納したときの様子~
京都と深い関係のある「ヒオウギ」などの植物の育成を開始
京都事業所内の緑地では、今年からアヤメ科の多年草である「ヒオウギ」など京都にゆかりのある植物の育成を始めました。
「ヒオウギ」は、剣のように平たくとがった葉が密生する様から、宮中で使われてきた檜製の扇「檜扇」に見立てて名付けられた植物です。京都では古くから祇園祭の「祭花」として、「ヒオウギ」をキキョウと一緒に床の間や玄関に活ける習慣があり、祇園祭と深い関係があります。
その「ヒオウギ」も京都府改訂版レッドリスト2022で絶滅寸前種に指定されており、敷地内緑地での育成は、生物多様性の保全に大きな意義があると考えています。
敷地内緑地で育成する希少種の植物
GSユアサは今後も、希少植物の育成等を通じて生物多様性保全の取り組みを継続し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。